Black Desire
小説は確かに虚構ではあるが、しかし、嘘は書けない。書けないものなんだ。
作家は虚構の物語の中で真実を語る。少なくともその作家の信じる真実だ。
信じてみようじゃないか。
その作家の描くエロスに何か感じ、何か通じるものがあれば、Youにとってもそれは真実なのだ。
セックスっていうのは本当に愛の行為なのだろうか。
愛しい女を抱き、情熱的なキスを交わす。
確かにそれはお互いの愛情表現だ。
そこまでは・・・。
しかし、女を四つん這いにして後ろから犯す時、果たして私に愛情なんていう感情があるだろうか。
お尻を高く突き上げさせ、尻肉を鷲掴み、いったん前のめりにさせ、それから自分の方にゆっくりと引く。
そのタイミングで、硬い肉棒が、女陰の感触を味わうように、挿入されていく・・・。
女をそうして前後に揺さぶるようにして、ますます硬くなる男根を出し入れする。時にふいに自分の腰を打ち付ける。
女は堪え切れずに高い声を上げる。身を捩り、私に向かって哀願の眼差しを向ける・・・。
その時、果たして私に、愛という感情があっただろうか。
私はただどす黒い欲望の塊ではなかったか。
そもそも犯すという行為は愛情とは相反する行為だ。
もちろん、愛情と相手を思う優しさいっぱいのセックスもある。
私もどちらかというとそんなセックスの方が多かった。
「痛かったらちゃんと言うんだよ」とか、「この入れ方痛くない? 大丈夫?」とか、「この体勢辛くない?」とか。
壊れやすいガラス細工のように女性の体を触り抱いていたような気がする。
相手の女性もそれに応えるように、「Kくん一緒に逝こ!お願い!一緒に逝って!」と切なげな声で私を求めてくれた。
私が本気になって己の欲望に没頭し、正に犯しのセックスをしたのは唯一人だ。
その時のセックスが今も忘れられない。今もはっきりと覚えている。あのものすごい官能感を。
立て続けに三回した。三回とも我を忘れ、己の性欲(Sadism)を真っ白になるまで満たすものだった。
その時、私に愛情などなかった。若いながらも私は冷酷で傍若無人のSadistになり切った。
愛情いっぱいのセックスもいい。賛成だ。
しかし、時には、あの時のような愛なし優しさなし遠慮なく、女を犯し尽くしたいと思うのだ。
私の中に潜むこのどす黒い欲望を実現したいのだ。
2020/03/12追記
耐え切れず 他の男に身を委ね
恋人の 仕置きのFuckに
悦びて...
女心ほど切なく、美しく、そして、官能的に響く言葉はない。尊ささえ覚える...
それは、女の罪の告白なのだろうか...
あるいは、男のエゴだろうか...
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