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思い出



 


 私の知る限り、嫉妬ほど性欲を煽る感情はない。

 青春時代、誰もが一度は出会う、高嶺の花とも言うべき女性。
 私にもそんな女性がいた。大人びていて美しい女性だった。顔やスタイルだけじゃない。心まで美しい女性だった。
 私はその女性を思っては、一晩に何度も自慰をした。


 ある時、私は、その女性に特別な男性がいることを知った。
 誰にでもフェアに接し、誰にでも振りまく彼女のその優しい笑顔。眼差し。
 その笑顔がその男の前では別の表情になることを、私は知った。

 今思えば、その表情こそが彼女の本当の顔だったのだ。私たちに見せる笑顔とは違う女の顔だったのだ。


 苦悩の日々が続いた。

 心かき乱され、自身の男としての弱さを思い知らされる。
 しかし、その悔しさや苦しさの感情とは裏腹に、私のPenisは確実に勃起していた。
 そのオナニーは、手淫と言うに相応しく、激しく擦り立て、何度も射精した。

 悔しいが、何度でも勃起した。「やめろ!やめろ!」という心の声に逆らい、私は射精を繰り返した。


 今も、時にその思いに駆られ、嫉妬の自慰に耽ることもあるんだ・・・。

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