悪徳の栄え...
三島由紀夫が割腹自殺を遂げ、1970年代が始まった。
三島が怖れていた時代が到来したのだ。
高度経済成長期真っ只中。
繁栄の裏で、笑う者と失望する者。持つ者と持たざる者。資本家と底辺。
もはや戦後ではない、とは一部の者たちだけの言葉であり、他の多くはまだ戦後をずるずると引きずっていた。
私はその頃生まれた。
まだデジタル化されてない子供たちの遊びは、ただひたすら外を駆け回るだけだった。
大人たちの深刻な生活不況のあえぎをよそに、子供たちにとっては栄光の時代だった。
もしかしたら、人生の最も幸せな時期というのは、もうすでに子供の頃に享受されているのかもしれない。
そして、夜は、男と女が乱痴気入り乱れていた時代でもあった。
エロ、グロ、ナンセンス。そんなものをテーマにしたいわばB級文化が流行り始めたのもこの頃だ。
トルエン、覚醒剤が一般家庭の中にまで入り込んだ。
出世する者、落ちこぼれる者。夢を追う者、目標を見失う者。
暴走族、全共闘、若者たちは荒れに荒れ、その時子供の私にとって、大人たちの世界を見るのは何となく怖かった。
左翼全盛期だった。
日本は侵略国家の悪者たちの国であり、アジアに頭を下げ、アメリカ文化、アメリカ主義、アメリカ型が浸透した。
作家では大江健三郎、映画では大島渚がこの時期の若者たちの苦悩をよく表しているような気がする。
日本軍が完全に自衛隊となり、本当に平和になったのだろうか・・・。
性欲は完全に男のものだった。男だけのものだった。
女性には決して許されない。
それがこの時代の性欲だった・・・。
自分生まれし 70年代
恐々と見た
大人の世界...
男の姦計 その罠に
女嵌められ
羞恥の宴...
欲禁じられ
我慢強いられ
解放の時 何処にありし...
自由の扉 開くまで
女身悶え
性の地獄絵...
欲のまま
女いたぶり
非情の責め苦...
欲しいのは
深き官能
今も変わらず...
男たち
欲するあまり
理性失い 家庭失い 自分失い 未来失い...
性の解放 まだ見ぬ夜明け。
今宵もどこかで、悪徳の宴が・・・。
ここでも・・・。
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